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コニャック業界に逆風、レミーコアントローは一時帰休

コニャック業界が厳しい状況を迎えている。中国の関税引き上げに加えて、米国向け輸出の先行き懸念が追い打ちをかけている。

「レミー・マルタン」ブランドを保有するレミーコアントローは、メルパン市(シャラント県)にあるコニャックの瓶詰工場で、異例の一時帰休を決定。6月までの予定で、同工場の390人の従業員の3分の2を対象に、1ヵ月につき1週間の一時帰休を適用する。4月第2週に開始した。同社は9日にはバラCEOが辞任すると発表。今夏にも退任する予定。

コニャックでは「マーテル」で知られる酒造大手ペルノリカールは17日に7-3月期(同社の第1-第3四半期に相当)の業績を発表したが、5%の減収(売上高84億5000万ユーロ)を記録。コニャックの重要市場である中国向け出荷が22%減と大幅に後退したのが響いた。既に、7-12月期の時点で、マーテルの不振が減収分の9割に相当していた。

コニャックの世界販売の7割は米中市場が占めている。米国市場では、コロナ危機後に過度に膨らんだ在庫を整理する動きが続き、コニャックは苦戦している。中国市場は消費の全般的な停滞が逆風となっているが、それに加えて、欧州と中国の間の貿易摩擦のあおりを受けて、中国政府はコニャックをはじめとするブランデーを標的にして圧力を強めている。去る10月より、中国向けのブランデーの輸出には、保証金か銀行保証の差し入れが必要になった(商品価値の34-39%)。トランプ米大統領は一時、ブランデーに200%の関税をかけると脅した後、ひとまずはこれを撤回している。

KSM News and Research