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コンコルド広場のオベリスクに新解釈、縦読みならぬ横読みも

パリのコンコルド広場にあるオベリスク(記念碑)に刻印されている文様や文字を、新たな観点から解釈した研究論文がこのほど専門誌ENiMに掲載された。パリ大学のジャンギヨーム・オレットペルティエ氏が論文をまとめた。

同氏は、先のパリ五輪に向けたオベリスクの改修の際に組まれた足場を利用して間近から観察し、従来は見過ごされていた細部にも注目して、オベリスクに記されたメッセージの解読を試みた。コンコルド広場のオベリスクは、古代エジプト時代のルクソール神殿にあったものを運び出し、1836年に設置したもので、ラムセス2世が建立した。オレットペルティエ氏によると、セーヌ河に向いた面(ルクソールではナイル川に向いた西側の面だった)に描かれたラムセス2世像は2つの王冠を頂いており、それ以外の面にはそのような表現がない。これには、ナイル川方面から船で来場する貴族に対して、ファラオが低地エジプトと高地エジプトの両方に君臨する者であることを示すという象徴的な意味があるという。同じ西側の面には別の仕掛けもある。エジプト象形文字は縦に読むのが通常だが、この面には、水平に読むと、「太陽神ラーの息子(ラムセス2世のこと)」を讃える文章が現れる。オレットペルティエ氏はこの解釈を支える傍証として、同じ面の下部に、通常の礼賛文が通例に反して横書きになっている部分があることを指摘。従来はスペースがないため仕方なく横書きにしたのだろうと考えられていたが、実際には解釈を助けるためにあえて配置されたものだろうと説明している。

KSM News and Research