仏ゲームソフト大手ユービーアイソフトは3月27日、中国のインターネット大手テンセントとの資本提携を強化するプランを公表した。主要3シリーズを束ねた子会社を設立し、テンセントからの出資を得る。
ユービーアイソフトは、アサシンクリード、Far Cry、トムクランシーのレインボーシックスという同社にとって主力の3シリーズをまとめて、2025年末までに子会社化する。子会社にはテンセントが11億6000万ユーロを出資し、25%程度の株式を取得する。評価額は40億ユーロ程度という計算になり、これは、株価低迷に見舞われているユービーアイの時価総額である約19億ユーロを大きく上回っている。残り株式はユービーアイが保有し、本体はそれ以外の資産の運用や新タイトルの開発などに当たる。
ユービーアイは本国フランスで、社内のモラハラ・セクハラ疑惑により元管理職3人が刑事訴追を受けている。2024年秋には、労働条件や賃金問題で労組がストを開始しており、企業イメージは低下している。スターウォーズ アウトローなど期待作の不発もあって株価は低迷しており、買収の標的となる恐れも取りざたされていた。そうした中で、ユービーアイの創業家であるギユモ一族は、従来の資本提携先であるテンセントの助力を仰ぐことを決めた。将来的にテンセントがユービーアイを掌握することになるとの見方もある。