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シリア「イスラム国」の人質虐待事件:メムーシュ被告人に終身刑

パリ特別重罪院は21日、シリアの「イスラム国」による人質虐待事件の裁判で、メディ・メムーシュ被告人に最高刑である終身刑判決を言い渡した。22年間の減刑不可期間が伴う最高刑となった。

この裁判では、シリアの「イスラム国」の人質となった4人のジャーナリストの告訴に基づいて、人質虐待の問題が裁かれた。人質らは2013年6月から2014年7月にかけて捕らえられた後、解放されたが、解放後に、アレッポの収監拠点においてメムーシュ被告人が人質を虐待しており、被害を受けたことを証言し、今回の裁判に至った。5人が起訴されたが、うち2人は既に死亡しているとみられ、欠席裁判にて終身刑の判決を受けた。また、メムーシュ被告人以外の被告人のうち、フランス人の男性が誘拐などの罪で禁固22年(うち3分の2は減刑不可)、シリア人の男性がテロ組織に協力した罪で禁固20年の有罪判決を受けた。

メムーシュ被告人は現在39歳。北フランスの出身で、盗難や暴行などの犯罪を繰り返し、2007年から2012年まで服役した。服役中にイスラム過激化したとみられ、出所した2012年中にトルコ経由でシリアに渡り、「イスラム国」に合流。その後、2014年5月にベルギーのブリュッセルでユダヤ博物館を襲撃するテロ事件を起こした(4人が死亡)。犯行の数日後にフランス国内で逮捕され、ブリュッセルの事件では、ベルギー裁判所より終身刑の判決を受けている。

メムーシュ被告人は裁判の際に、人質の収監拠点にかかわったことはないと述べて容疑を全面的に否定。その一方で、自らのテロ活動を自賛し、「米国の帝国主義」に抗う抵抗勢力としてテロを位置づける主張を展開。その中で被告人はロシアを味方に位置づけており、イスラム原理主義勢力のイデオロギーの現在位置を知る証言となった。

KSM News and Research