教育省が小学生に配布する目的で発注した児童書を間際で取り消す事件があった。挿絵作家のJulことジュリアン・ベルジョー氏が不当な検閲だと反発している。
問題の書籍は、「美女と野獣」を現代版にアレンジしたもので、「夏休みの1冊」として、小学校最高学年(10歳)の80万人に無料で配布される予定だった。教育省は挿絵に複数の問題点があることを理由に間際で発注を取り消し、前年度に配布した「オデュッセイア」に差し替えることを決めた。
教育省側は、父親のアルコール消費を描いた場面と、アルジェリアからの模造品輸入の疑いで父親が逮捕される場面、そして、SNSに関係した場面(13歳未満のSNSの利用は原則禁止されている)の挿絵を問題視している。10歳の生徒には適切な理解が困難なテーマが含まれており、対象者の年齢が低すぎるとの理由を挙げて、直前になり発注を中止した。ボルヌ教育相は、印刷前であり国に費用は発生していないとも説明した。
挿絵作家のJulは、発注取りやめの本当の理由は、ヒロインをプリンセスのように描かなかったことにあるのではないか、と言明。現代の状況を受け入れられない人々がいるに違いない、と批判している。作品はそれでも出版される見通しだが、この種の作品は数千部程度の販売であり、80万部を失うのは大きいと話している。