仏会計検査院は3月10日、留学生誘致の政策評価の報告書を提出した。
マクロン大統領は、任期満了の2027年時点で、留学生数を50万人に引き上げることを目標に設定している。2018年度にこの数は35万8000人だったが、2023年度には42万人まで増えており、目標達成に向けた進展状況は良好だと会計検査院も判断している。フランスは、1980年には留学生数で米国に次ぐ第2位だったが、2017年には、英国とオーストラリアに抜かれて第4位に、2022年には、さらにカナダ、ドイツ、ロシアに抜かれて7位に下がっていた。国際競争の中で留学生の受け入れ拡大は重要な課題ではあるが、会計検査院は、目標が数値に偏り、定性的な業績評価の尺度に乏しいことを問題視。優先すべき出身地域や、育成すべき職業上の能力、政府開発援助(ODA)との連携などが考慮されていないとして、改善のために、経済省と労働省を中心とする関係各省が参加する省間組織を設置して、調整を図るべきだと勧告した。出身地域の点では、北アフリカ・サハラ以南アフリカが50%、アジアが22%、欧州が19%、米州が9%となっており、フランス語圏に偏っていることを問題視。企業の人材需要を念頭においた誘致戦略を展開するドイツなどの例に倣うことを提案した。ロンバール経済相はこの提案を歓迎しつつ、英語による教育を増やすことなどに期待する考えを示した。会計検査院はまた、留学生に高めの学費を設定することが認められたが、大学側がその利用を手控えており、2022年度には3億800万ユーロの収入を確保し損ねたと指摘し、適正な対応を勧告した。