政府は10日、気候変動対策全国プラン(PNACC)の第3次文書を公表した。意見聴取を経て修正したプランを公表した。
このプランは、2100年時点で、1990年比で気温上昇幅が摂氏4度に上るとの仮定に基づき、必要な対応策を策定している。海岸浸食は海岸線全体の20%(5000km)にリスクを及ぼしており、150万人の住民が水没のリスクに直面している。また、粘土層の収縮の影響で1100万戸にひび割れなどのリスクが生じている。こうした目に見える危険に対処する目的で、プランは52項目の対策を定めている。新プランでは、対策推進において、同じ地域の自治体が協力して当たるようにする枠組み作りが優先課題となる。国との協力を確保するため、各県に担当官を置き、さらに、気候変動に対応するためのエンジニアリングについて、ワンストップ窓口を通じて自治体に支援を与える。また、対策の展開状況を評価する業績尺度を定めることも決まった。洪水対策では、2030年までに国土の全域をカバーするなどの目標も設定された。
ただ、財源面の裏付けには乏しく、項目によっては、日程も定まっていないものもあって、不完全なプランという印象は拭えない。パニエリュナシェ・エコロジー移行相は、「バルニエ基金」が今年に前年比で7500万ユーロかさ上げされることや、「グリーン基金」から2億6000万ユーロが気候変動向けに充当されることなどを挙げて、資金面での努力を強調しているが、多年次の予算計画の策定は見送られた。同相はその一方で、気候変動への対応において無策であるなら、経済的な影響は大きいと指摘。世界の平均気温が2度上昇の場合で、50年間にGDPの10%相当がフランスでは失われる恐れがあると数字を示して、対応策に取り組む重要性を強調した。