今年度に始まった学校における制服の試験導入について、自治体による打ち切りの機運が高まっている。自治体側は予算難を背景に、財源確保の展望がないことを理由に挙げている。
制服導入はマクロン大統領の肝いりで決まった。大統領は、現場の声を反映させるとしてこの措置を決定。制服の導入により、学校の求心力が高まり、学業の成功が後押しされるという触れ込みだった。フランスでは近年、自由を貴ぶ考え方から、とりわけ公立学校では制服は皆無だったが、特に、イスラム教を念頭に、コミュニティ中心主義の拡張に伴う「服装の乱れ」が広まっていると懸念する向きが、制服導入を歓迎していた。
有志の自治体(公立学校の運営は市町村、県、地域圏の自治体に委ねられている)が2024年9月に始まる現行学年において、小中学校にて試験導入を開始したが、今年度末を以て打ち切りとする動きが広がっている。プロバンス・アルプ・コートダジュール地域圏のミュズリエ議長は、地域圏内の高校で開始した試験導入を打ち切る方針を発表。地域圏内のすべての高校に適用するとなると、4400万ユーロという多額の費用がかかり、国が負担に応じる展望が開けていないことを理由として打ち切ると予告した。
導入には生徒1人につき200ユーロの費用がかかるという。家庭に負担させることはできないという建前から、政府と自治体が応分の負担をすることになっており、政府は今学年については200万ユーロを捻出した。ただ、財政収支悪化の現状で、今後に予算を恒久化するめどは立っていない。教育省は、進行中の試験導入について、4月末に中間成果をまとめるという方針に変更はないと説明しているが、当初は2026年度末まで行われる予定だった試験導入の今後の財源については明言していない。