仏国鉄SNCFが2024年業績を発表した。増収増益を達成した。
売上高はグループ全体で434億ユーロを記録。仏国内で個人消費が0.8%増と停滞する中で、4.8%の増収を達成した。純利益は15億6000万ユーロとなり、前年の13億ユーロから増加した。EBITDA利益率は16%に上った。
旅客輸送部門のSNCFボワイヤージュは売上高が203億ユーロとなり、前年比で5.8%増を記録した。国内の高速鉄道の旅客数は4%増加して1億3000万人近くとなり、過去最高記録を更新した。TER(ローカル線)でも10%を超える増加を記録した。同部門は利益のうち17億ユーロを鉄道インフラの改修向けに拠出した。インフラ部門のSNCFレゾーでも業績が改善し、売上高80億ユーロに対して、EBITDA利益率は27%にまで上昇した。このほか、子会社の中では、ケオリス(公共交通機関の運営受託)が9.6%の増収を達成した(売上高76億ユーロ強)が目立った。
政府は2018年に行った改革で、SNCFの累積債務350億ユーロを肩代わりするなどしててこ入れを図った。ファランドゥー現CEOは2021年から2024年までの4年間で、累積で61億7000万ユーロの純益を達成することに成功し、立て直しを軌道に乗せることができた。2025年には、総額で120億ユーロ近くの投資を予定するが、その財源には、一部事業の委託者である国や地域圏も貢献する。ファランドゥーCEOは5月に任期満了を迎えるため、これが最後の業績発表となった。好業績で掉尾を飾ったが、運行本数を減らして料金を引き上げての収支改善については、サービス悪化で旅客につけを支払わせての改善だとする批判の声も聞かれる。