欧州の衛星事業者ユーテルサットは、5GNTN規格の衛星5Gサービスの試験を行い、成功を収めた。商用化に向けた感触を得た。24日付でユーテルサットが発表した。
ユーテルサットは、エアバス・ディフェンス&スペース、そして台湾のMediaTek(半導体)の協力を得て、今回の実験を行った。エアバス・ディフェンス&スペースが建造した衛星(ユーテルサット傘下のコンステレーション「One Web」を構成する衛星)に、MediaTekが開発した5GNTNの運用に必要なチップセットを搭載して、衛星経由で地上をカバーする5Gサービスのテストを行った。アンテナアレイなど関連機器の供給には、シャープとローデ・シュワルツも協力した。地上の携帯端末から、One Webの低軌道衛星経由で通信を行うことができた。
ユーテルサットによると、5GNTNのテストの成功は世界でこれが初めて。5G地上サービスと衛星サービスの間の相互運用性の確保に道を開く成果が得られた。
ユーテルサットは、欧州連合(EU)が整備を計画する主権通信コンステレーション「IRIS2」のプロジェクト主体となったコンソーシアムを率いている。5GNTNはIRIS2の中核をなす規格となり、IoTなどを念頭に置いて、地球全域をカバーできる5Gネットワークの展開に期待がかかる。