パリ市民の構成に関する分析結果をINSEEがこのほど発表した。
これによると、2020年時点でパリ市民のうちパリで生まれた人が占める割合は30%だった。この割合は、1968年には35%だった。この割合は1970年代を通じて明確に低下を続けて、1982年には31%に下がったが、その後は安定して推移しているという。フランスの10大都市で比較すると、市内で生まれた人が住民に占める割合は、ボルドーで24%と低く、マルセイユでは50%と高いが、パリは平均並みであるという。
他方、パリで生まれた人の現在の居住地という観点から分析すると、パリに居住している人の割合は2020年時点で21%にとどまった。年齢により違いがみられ、30-59歳の層では、43%の人が、パリの郊外に居住している。60歳以上の層では、54%の人が、地方又は海外県に居住している。
パリの居住者を出身地別に分析すると、パリ生まれは上述のように30%を占めるが、首都圏を構成する他の県で生まれた人が16%余りを占め、さらに、パリ首都圏以外のフランス国内で生まれた人が29%を占める。残りの約25%が外国生まれの人となっている。1968年時点では、パリ首都圏以外の仏国内生まれの人が占める割合が38%と大きかった。これは、こうした人々が、パリ市内ではなく郊外に居住することが増えたことにより説明できる。2020年時点で、住民の出身地を県別にみると、ロワレ県とヨン県が全体の2%をそれぞれ占めて最も高い。これらの県はパリに地理的にかなり近い。ブルターニュ及びノルマンディーの各県も、1.3-1.7%程度と比較的に高い。このほか、東南端に位置するアルプ・マリティム県で生まれた人が2%と高いのが目立ち、カリブ海の海外県の出身者(グアドループが1.8%、マルティニークが1.7%)も高めだった。逆に、ノール県の出身者は1%に満たず、特に少なかった。外国生まれの人が占める割合も、全体の傾向と同じく、1968年(17%)から1982年(23%)にかけて目立って上昇した後、比較的に安定して推移している。パリに居住する外国人のうち、北アフリカ3ヵ国(アルジェリア、モロッコ、チュニジア)の出身者が28%を占めて最も多く、アジア出身者も20%を占めた。