仏2社がこのほど、ハイブリッド推進の偵察用ドローンを仏DGA(兵器総局)に納入した。プロトタイプを納入し、DGAが試用を開始した。6月までテストが行われ、その後に量産化が着手される。
いずれもトゥールーズを本拠とするDelair(ドローン)とAscendance(ハイブリッド推進装置開発)が共同で開発した。プロジェクトは1年前に開始され、軍隊省下のファンドであるAID(防衛イノベーション庁)が援助した。DelairのドローンDT46に、Ascendanceが開発した電動ハイブリッドの推進システム「Sterna」を搭載した。DT46は全幅4.50メートルの固定翼機で、翼部に取り付けた棒状の支柱の両端にローターを配し、垂直離発着を可能にしている。推進装置は、燃料による発電機とバッテリーを組み合わせたハイブリット型で、小型機への搭載に伴い、バッテリー重量を減らすなどの技術開発が必要になった。完成したプロトタイプは5時間の飛行可能時間を確保。燃料による飛行時には時速100kmの速度を出し、バッテリー稼働時には低速で消音にて飛行、ホバリングも可能であり、偵察ミッションの自由度は高い。
DGAは、ミサイル試験センターにおいてプロトタイプ機を試用する。ミサイル発射時の観測が主なミッションだが、民生用を含めて、様々な用途に使用が可能と期待されている。
Ascendanceは2018年に発足したベンチャー企業。エアバスのOBらが起業し、垂直離着陸機(5人乗り)のAteaを開発した。同機は現在、開発段階にあり、612件の購入関心の表明を得ている。1年以内の試験飛行を目指す。従業員数は100人。Delairは2024年に3000万ユーロの売上高を達成。前年比で3倍の増収を達成した。従業員数は150人。