業界団体FEVSが11日に発表した集計によると、フランスのワイン・スピリッツ輸出は2024年に155億5800万ユーロとなり、前年比で4.0%減少した。数量ベースでは0.1%減少した。輸出額は前年には5.9%増加していたが、2024年には減少に転じた。世界的に消費が振るわなかった。
ワイン(シャンパーニュ含む)は全体で109億4900万ユーロの輸出額を記録。前年比で3.0%減少した。うち、シャンパーニュは38億5800万ユーロで、8.0%減と後退が目立った(数量ベースでは9.7%減)。ワインは、AOC指定ワインで輸出額が52億8300万ユーロとなり、後退幅は1.4%と、シャンパーニュに比べると小幅だった。産地により成績には大きな違いがあり、ボルドーは苦戦、ブルゴーニュは好調を維持した。
スピリッツは全体で6.5%減の44億8200万ユーロの輸出額を記録。主力のコニャックが10.9%減の29億8800万ユーロに後退したのが響いた。数量ベースでは0.6%減と、小幅な後退にとどまったが、高級品(VSOP、XO)分類の製品が振るわず、輸出額の大幅後退を招いた。重要市場の中国では25%近い後退を記録。中国政府は1月に欧州産ブランデーを対象にしたダンピング調査を開始し、同年10月には保証金の納付義務等による制限を導入している。米国のトランプ政権が追加関税導入の対象とする可能性もあり、2025年にも厳しい状況が続く恐れがある。