従業員のトレーニングを受ける権利が蓄積されるアカウントCPFを経由してなされたトレーニング総額(キャンセル分除く)は2023年に22億5000万ユーロとなった。前年比で24.1%の大幅減を記録した。政府系金融機関CDCが集計結果を発表した。
CPFは、就労実績に応じてトレーニングを受ける権利が蓄積されてゆくアカウント。マクロン政権の下で制度が改正され、権利が金額の形で表示されるとともに、従業員が自らトレーニングを選ぶ権利が強化された。トレーニングの料金は、企業から徴収される拠出金を原資とする機関が負担することになっている。ただ、改正に伴い、CPFを悪用した悪徳業者が増加し、社会問題となった。内実のないトレーニングを提供する業者が、景品を約束するなどして受講者を集め、公的機関が支払うトレーニング料を着服するという手口の詐欺が横行した。このため、政府は2021年より制度の見直しを進め、登録業者を整理し、対象となるトレーニングの内容等についても制限を加えるなど、不正の排除に取り組んだ。受講者負担金(1件当たり100ユーロ余り)の徴収も始まった。そうした取り組みの効果が現れた可能性がある。
トレーニング料金の平均額は、2023年には1時間当たりで25.5ユーロとなり、前年比で10.5%低下した。この金額は、2020年から2021年にかけては42%、続いて2022年には27.7%の低下をそれぞれ記録していた。これは、特に料金の高いトレーニングが減ったことによるもので、同じ内容のトレーニングで比較すると、むしろ料金は上昇しているという。