バイルー首相は2日付のラトリビューン日曜版とのインタビューの中で、3日に始まる予算法案の両院協議会協議案の下院審議において、採択強制措置を発動すると予告した。この措置は、それが依拠する憲法の条文の番号により、「49.3」と呼ばれる。政府がこの発動を宣言すると、法案は採決なしに採択されたとみなされるが、内閣不信任案が提出され、それが採択されると、法案の採択は白紙に戻される。バルニエ前内閣も、「49.3」の発動を経て退陣に追い込まれた。バイルー首相は、「我々のような国が予算なしでとどまることはできない」として、一刻も早く予算法案を採択する必要があると強調。内閣不信任案は、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」が提出し、共産党とEELV(環境派政党)が合流する予定で、社会党と極右RNの対応がその可否を決する鍵を握るが、首相は、予算法案が否決になれば、国民はそれに怒りを示すであろうとし、両党もそれを知っている、と言明した。
両院協議会は1月31日に、予算法案の協議案の策定を終えた。協議案は、500億ユーロの節減(300億ユーロの支出削減と200億ユーロの収入確保)により、財政赤字の対GDP比を5.4%まで圧縮するとの政府方針を維持する内容となった。大手企業を対象とした特別課税(1年間)と富裕層対象の課税強化も維持された。航空券課税の強化も盛り込まれ、その一方で、断熱リフォーム補助金の削減は予定通りに実施される。不法滞在者向けの医療補助については、上院通過時の2億ユーロという削減幅が、1億1100万ユーロへとより小さくなった。教員4000人を削減するという当初案は削除されたが、それに伴い増加する予算は、教育省の他の予算項目の削減により補われることが決まった。