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マクロン大統領、ルーブル美術館の再生策を公表

マクロン大統領は28日、ルーブル美術館を訪問し、同美術館の「再生策」を公表した。「ルーブル、新たなルネサンス」と名付けた大型の設備投資を行う。

ルーブル美術館のデカール館長は、建物が一部老朽化していることを問題視。また、オーバーツーリズムを背景に飽和状態に陥っていることを挙げて、事業の見直しを求めていた。大統領はこれに応える形で、大規模なプランを公表した。

新プランの目玉は、新たな入口の整備で、これを美術館の東側に設ける。入場者の流れを円滑にするとともに、新たな入口が位置する地区(百貨店サマリテーヌなどがある)の再活性化も目指す。建物東側のクール・カレと呼ばれる正方形の中庭の地下に新たなスペースを確保。これは「ピラミッド」と呼ばれるメインエントランスとも連結され、入場者を受け入れるためのスペースなどを整備する。特に、「モナリザ」を、入場券購入場所から見えるように配置し、モナリザ渋滞を解消する工夫をする。2031年までの完成を目指す。

これと並行して、セキュリティ確保、所蔵作品の保護、屋根の漏水防止、火災予防、バリアフリー、空調、配線、入場者の快適性向上といった様々な観点から改修工事を進める。工事中は閉館せず、作品の配置の見直しも進める。

投資額は公表されていないが、財源は、ルーブル美術館の自己資金により賄うとされている。報道では、7億-8億ユーロという金額が取りざたされている。東側の新たな入口と新スペースの整備はメセナからの拠出金で賄う計画とされ、さらに、大統領は明言しなかったが、2026年年頭より、欧州連合(EU)域外からの観光客を対象とする入場料引き上げが実施されるものとみられている。

KSM News and Research