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「利き酒AI」のDeep Red、仏M&Wineが開発

仏ベンチャー企業M&Wineは「利き酒AI」のDeep Redを開発した。3月15日に開催されるフランスワイン誌(La Revue du vin de France)主催のソムリエ・コンテストに出場する。

同社は、光・材料研究所(リヨン第1大学とCNRSの共同ラボ)など発のベンチャー企業。Deep Redは先のラスベガスCESでも出品された。このソリューションは、40種の鉱物の含有率等の分析に基づいて、生産地や銘柄などを言い当てることができる。有機的材料には頼らずに判断するところが人間のソムリエとはまったく異なる。土壌の鉱物的な特性から産地を推定することができるだけでなく、オーガニックであるか否かなど、栽培と生産の方法についても推定が可能。データベースの構築と並行してアルゴリズムを育てる研究を進めた。現在は50ヵ国程度の3万5000種のワインがデータベースに収録されている。「利き酒」の腕前は、2024年発表の時点で、生産国の推定が92%、仏国内の産地の推定が91%、主要セパージュの推定が85%の的中率であるという。

人間と張り合うというよりは、業者をサポートする手段を開発するのが狙いで、ブレンドの立案等を補佐するソリューション「IAssemblage」は、オクシタニー地域圏やボージョレ地方のワイン業者などにより既に採用されている。また、模造品の検出手段の開発にも応用する方針で、人気のプロセッコなどには模造品も増えているため、需要が期待できる。

KSM News and Research