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ドイツ:クリスマス市が自動車で襲撃受ける、5人が死亡

ドイツで20日(金)夜にクリスマス市が襲われる事件があった。自動車が群衆の中に突っ込んだ。22日時点の集計で、5人が死亡し、200人余りが負傷した。うち40人程度は重傷となっている。

事件は旧東独地方ザクセン・アンハルト州のマグデブルク市で発生した。乗用車が高速でクリスマス市に突っ込み、400メートル以上にわたって走行した。その場にいた9才から75才までの5人が死亡し、数多くの負傷者を出した。自動車を運転していた男は逮捕された。

報道によると、逮捕されたのは50才のサウジアラビア人、タレブ・ジャワド・アルアブドゥルモセン容疑者で、ドイツには2006年から居住。サウジアラビアから亡命する形で欧州に逃れ、正規の滞在許可証を所有していた。マグデブルク市近郊のベルンブルク市に住み、精神科の医師として勤務していた。思想上は「反イスラムの無神論者」を自称し、SNS上などでは、欧州を不法入国者から守れなどと主張、メルケル前首相の移民政策を「欧州のイスラム化を招いた」などとして非難していた。同州でも強い極右政党AfDを賞賛したり、ワクチン懐疑派の弁護士ハインツ氏を支持するなどの表明もあった。当局による監視の対象とはなっていなかったというが、サウジの情報機関は1年前に、「サウジ難民の取り扱いにおいてドイツ政府は代償を支払うべき」だとSNS上で公言していたことを理由に、ドイツ当局に警戒を促していたとされる。

ドイツでは、ベルリンで8年前にクリスマス市を狙った同様の攻撃があった。今回の事件を防げなかったことについて、当局とショルツ政権の対応を問題視する声も上がっている。2月に総選挙を控えて、この事件が有権者の投票を左右する可能性もある。

KSM News and Research