配偶者による「経済的暴力」への対応に銀行各社が取り組んでいる。経済紙レゼコーが19日付で報じた。
「経済的暴力」とは、配偶者に無断で財産を奪取したり、権利を行使できなくするような行為を指す。ある調査によると、女性の2割強がこうした「経済的暴力」の被害を受けたことがあるといい、種類別では、17%の女性が「盗難・没収」の被害(生活費を使いこまれる、収入の水準が異なるのに大きな負担を要求される、など)を受けたと回答。それ以外では「金融面での統制」(知らないうちに借金を負わされる、収入を横取りされる、クレジットカードを知らないうちに使用不可にされる、など)の被害を受けた人が11%、「就労の統制」(就職に反対される、トレーニングを受けることを禁止される、など)の被害を受けた人が6%となっている。
大手銀行BNPパリバの場合は、消費ローン子会社のBNPパリバPFから始めて、全社を対象にして、対顧客業務に携わる1万人の係員に、経済的暴力に関するトレーニングを受けさせた。経済的暴力がDVに直結・連動しているケースも多く、配偶者が一方の配偶者に代わってカード無効化の手続きを行うような場合に、本人確認を徹底するなどの対応を明確化した。