ジュヌテ教育相は11月12日、教育改革の今後について発表した。バカロレア(高校卒業資格)試験における数学の扱いを変えることを明らかにした。
具体的には、バカロレア試験のうち、高校2年終了時に行われる科目に数学を加える。現在の1年生から適用され、最初の試験は2025年度(2026年6月)に行われる。現在は、国語のみが対象だが、これに数学が加わる。数学の試験内容は、生徒が選ぶ専門科目に応じて異なるものとする。高校3年終了時の筆記試験と口頭試問は従来通りに行われる。
この改革は、政府が以前から予告していたものだが、内閣が交代したことにより、その扱いがどうなるかが不明になっていた。ジュヌテ教育相は、現代において数学的リテラシーが重要性を増していることを強調し、広く能力を育成する必要性を踏まえて、国語と匹敵する地位を数学に与えるものだと説明している。
ただし、教育関係者の間からは、この発表を警戒する声が聞かれる。共通科目的な扱いで数学を試験に追加するとなると、ほかの科目の比重を減らして新たに追加する数学を処遇しなければならないが、そのために全体のバランスが崩れることになる。年度末の忙しい時期に、採点官を確保するという必要も生じる。生徒や父兄には、将来の進路にかかわらずに、数学が選抜の手段として用いられることを懸念する向きもある。。