管理職労組CFE-CGCのオメリル書記長がこのほど失業者となった。勤務先の企業の倒産と買収に伴い失職した。主要労組の書記長が失業者となるのは前例がない。
オメリル書記長は2016年にCFE-CGCの書記長に就任。同労組を戦闘的な労組に変貌させる上で功績があった。アルミ大手のペシネーに1989年にエンジニアとして入社。その後、数度にわたる買収を経験した同社にとどまり、組合員として活動を続けてきた。近年ではサボワ県内にある関連会社Niche Fused Alumina社が勤務先だった。しかし、同社は去る4月に会社更生法の適用を申請し、この10月末にはAlteo社による買収が決定。173人の従業員のうち119人の雇用が維持されたが、解雇が決まった人員の中にオメリル書記長も含まれていた。
書記長はその人脈を利用して、勤務先企業の事業継続を実現するために尽力。同じくサボワ出身のバルニエ首相への働きかけが、買収の実現において効果的だったといわれる。書記長は長らく、労組指導者として、事実上は勤務していなかったが、在籍は続いていた。買収を経て解雇されることは予期してはいたが、実際に職を失うと精神的なショックは大きいと書記長は話している。書記長は63才で、書記長としての任期は2026年6月に終了する。