仏民放最大手TF1は11日、連続ドラマ「キャッツ・アイ」の放送を開始した。コンテンツ制作事業の強化を代表する大予算のドラマ化となった。
フランスにおける北条司作品の人気には今更説明の必要はなかろう。北条作品は1980年代から顕著だった日本アニメブームにおける主要な柱だった。「シティーハンター」は「ニッキー・ラーソン」名義で大好評を博し、2019年には実写映画「Nicky Larson et le Parfum de Cupidon(日本題:シティーハンターTHE MOVIE 史上最香のミッション)」が制作されたほどである。TF1は、広く家族を引き付けることができる動員力のある作品をと考えて「キャッツ・アイ」を選び、リニア放送だけでなく、自前の配信プラットフォーム「TF1+」の集客力向上もにらんで大予算で制作することにした。制作にはBig Band Story社が協力。アマゾン・プライム・ビデオも日米での配信権を獲得した。予算総額は2500万ユーロというが、TF1の負担分については公表されていない。配役には、キャロル・ブーケなど大物と共に、ラップ歌手MB14を起用してやはり幅広い層へのアピールを狙っている。主役の3人にはTF1で実績のある女優(カミーユ・ルー、コンスタンス・ラべ、クレール・ロマン)が起用された。TF1としては、ヒット作「HPI(日本題:IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント)」の実績(2024年のシーズン4は視聴者数830万人、うち20%が非リニア)が「キャッツ・アイ」のひとまずの目標となる。