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パリ学区、生徒数減少への対応を準備

バルニエ内閣は2025年予算法案において、4000人の教員削減を盛り込んだ。財政赤字削減を目的とした支出節減措置の一環だが、政府はこの根拠として、生徒の数が減少傾向を示していることを挙げている。事実、小学生の数はこの新学年に、1年前と比べて7万8000人の減少を記録しており、影響は無視できない。

パリ学区のベニエ学区長はこのほど、向こう15年程度の期間を視野に収めて、生徒数の減少への対応について展望を示した。パリでは、1年間で小学生の数が2000人の減少を記録。小中高校を合計すると、10年間で生徒数は3万人の減少を記録しているという。足元では、小学校の1クラス当たりの生徒数が、この新学年においては平均20人まで低下(前年は21.5人)しており、教育環境という点では好影響を及ぼしている。ただ、将来的には、学校や教育のあり方を見直す必要が生じると考えられ、学区長は所見を明らかにした。具体的には、教育機関の統合を検討する必要があると指摘。小学校から高校までを一つの施設にまとめて、進級・進学をスムーズにできるような体制づくりを提案。また、学校長が複数の施設を担当できるようにしたり、教育の現場と査察官、地元議員などが結集して教育を推進する体制作りを進めることなども提案した。高校については、1ヵ所を廃校として、需要が高まっている、高校卒業後の各種教育の専門機関に鞍替えするとの案も示した。

地元のパリ市は、教育機関の統合により、生徒と学校の物理的な距離が開くようなら問題だとして、慎重な見方を示している。近隣学区との統合の可能性の検討も課題になる。

KSM News and Research