下院で8日、左派連合NFPが提出した内閣不信任案の審議が行われた。予想通り反対多数で否決された。
極右政党RNのマリーヌ・ルペン議員団団長は、今回は内閣不信任案には賛同しないとする立場を確認。下院における力関係からみて、不信任案が可決される可能性は皆無だった。左派連合の側は、バルニエ少数内閣が民主主義の常道を踏みにじって発足し、極右RNの「善意」にすがる以外に存続の道がないと糾弾した。
これより前、バルニエ首相は、マクロン大統領の旧与党議員団EPRの会合に出席。EPRからの支持の確保が首相の出席の目的だったが、EPRの所属議員らからは首相への批判の声が噴出し、冷ややかな会合になったという。アタル前内閣の閣僚も多いEPR議員団には、バルニエ首相が、前内閣の準備した歳出凍結措置の実行を見合わせ、2024年の財政赤字を意図的に膨らまして、2025年予算法案の編成における自らの財政健全化の「力量」を水増しするつもりだとする不満の声がある。増税反対の声も根強くあり、バルニエ首相の政策運営の道は極めて険しい。
これとは別に、下院は同日、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」が提出したマクロン大統領の弾劾決議案を廃案とすることを決めた。同案は、LFIを主軸とする左派連合NFPの他党からの賛同も得られておらず、最終的な廃案が決まった。