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極右RNの架空雇用疑惑、裁判が開始に

極右政党RNの架空雇用疑惑の裁判が30日にパリ地裁で始まる。同党を率いるマリーヌ・ルペン下院議員をはじめとする27人と、RNが法人として起訴された。11月27日まで裁判が行われる予定。

RNは欧州議会において、2004年から2016年にかけて、党職員等を欧州議会議員の公設秘書の名目で採用することにより、欧州議会の資金を党のために流用していた疑いがもたれている。欧州議会の試算によると、被害総額は700万ユーロ近くに上る模様だが、被害の規模は特に、2014年の欧州議会選挙でRNが躍進し、議員数が大きく増えたことに伴い大きくなった。RNは当時に資金難に直面しており、清算の危機を回避するため、公設秘書で得られる資金を最大限活用することに踏み切ったとみられており、2011年以来、実父のジャンマリー・ルペン氏を引き継いで党を率いる立場となったマリーヌ・ルペン氏には、組織的な横領を指揮した疑いがかけられている。

架空雇用は各党の常套手段であり、中道政党MODEMの所属議員ら数人も2023年末に有罪判決を受けていたが、この時に、同党のバイルー党首は、証拠不十分で無罪判決を受けており、組織ぐるみの犯罪という認定はされなかった。大統領就任に意欲を見せるマリーヌ・ルペン氏の場合、党の責任を認定されて有罪判決を受ければ打撃は大きく、被選挙権停止が決まる可能性もある。ただし、控訴を経て執行が止まれば、2027年の次回大統領選挙より前に刑罰が確定することはなく、有罪判決で支持者が離れることもないだろうという楽観論が党内にはある。
KSM News and Research