コレーズ県チュール市にあるモージャン(Maugein)社が会社更生法の適用を申請した。国内に残った最後のアコーデオン製造者が姿を消すことになる。
モージャンは創業125周年。熟練工を含む10人を雇用していた。近年は販売不振に悩み、2013年に現在の経営者であるリシャール・ブランダオ氏が投資家らの支援を得て買収し、立て直しを図っていたが実らなかった。新型コロナウイルス危機が打撃になったほか、中国市場に活路を探る戦略が裏目に出て、中国競合の追撃を受ける格好になり、経営が立ち行かなくなった。2年前に始めたハーモニカ製造の多角化も成功しなかった。
チュール市は、オランド元大統領の地元という縁があり、今年に入り、チュール市にはアコーデオン文化センターがオープン。元大統領も開所式に姿を見せていた。モージャンは2007年に、EPV(国宝企業)という経済省が運営するラベル認定を得ていたが、伝統のノウハウがこれで姿を消すことになる。
KSM News and Research