仏カジノ経営大手のバリエール・グループは、自社を騙った詐欺広告の件でフェイスブックを相手取って起こした訴訟において、裁判所から執行命令を得たと発表した。フェイスブックが是正措置を導入しない場合、1日につき1万ユーロの制裁金を支払うようあわせて命じた。
この件では、バリエールが、自社のロゴやカジノ写真、制服姿の従業員の写真などを盗用した詐欺広告がフェイスブック上で流布されていることを問題視。これらの詐欺広告は、オンラインカジノへの誘導が目的だが、バリエールは、オンラインカジノはそもそも違法であり、それに誘導する詐欺広告をフェイスブックが放置しているのは問題だとして、対策実施を義務付けるよう求める訴訟をパリ地裁に2023年11月時点で起こしていた。去る4月には高裁判決でも是正措置導入を命じる判決が下されたが、バリエールはその遂行(フィルター導入、詐欺広告を出稿のアカウント情報の保全と提供)が不十分だとして、制裁金の規定の伴う執行命令を下すよう、裁判所に別途求めていた。その訴訟で今回、言い分が認められて有利な判決を得た。
一連の訴訟は、アイルランドにあるメタ(フェイスブック)の欧州本社を相手取って仏国内で起こされた。バリエールは別途、被疑者不特定のまま、詐称・盗用と賭博法違反の疑いでの刑事訴訟を起こしている。
KSM News and Research