INSEEは9日発表の調査の中で、2024年の経済成長率を1.1%とする予測を示した。政府公式予測である1.0%よりは高いものの、10-12月期にはマイナス成長に転じると予測した。
経済成長率は、1-3月期に0.3%、4-6月期に0.2%を記録し、減速傾向を示していた。7-9月期にはパリ五輪開催の効果から、成長率が0.4%に上昇する見込みだが、この数字は、7月時点の予測だった0.5%に比べて小さい。また、10-12月期には、前の期への反動もあって、0.1%のマイナス成長に転じる見込みとなった。
2025年年頭時点の経済活動の水準がそのまま1年間続いたと仮定した場合で、2025年通年の経済成長率は前年比で0.2%となる。政府は欧州委員会に提出した計画の中で、2025年に1.4%の成長率を予測していたが、その下方修正は不可避と見られている。経済省筋では1.1%という新たな予想値を取り沙汰している。
2024年の経済成長を支えるのが外需で、成長率への貢献度は0.9ポイント分となる。内需は、企業設備投資が鈍い一方で、個人消費にはようやく拡大の兆しが出ている。インフレ率が年末時点で1.6%まで減速する見込みで、実質購買力が増大して個人消費を支える役割を果たすものと期待できる。他方、穀類の不作が懸念材料で、INSEEはこれが通年経済成長率を0.1ポイント押し下げる要因になると予想している。
KSM News and Research