フランス中銀のビルロワドガロー総裁は4日に公表されたルポワン誌とのインタビューの中で、2024年の仏経済成長率予想を上方修正すると予告した。総裁は、2つの好材料があると指摘し、従来予測の0.8%を9月中旬に上方修正すると言明した。総裁はまず、インフレ減速に伴い、購買力の増強と金利の引き下げが実現するとし、これを持続的な好材料だとした。総裁はまた、一時的な好材料として、パリ五輪の成功を挙げた。
フランス政府は2024年の経済成長率の公式予測として1%という数字を採用しているが、中銀の予測は修正後でこの政府予測に近づくことになる。総裁はその一方で、総選挙の終了から50日間も次期首相が決まっていない状況を挙げ、不透明感が2つの悪影響を及ぼしているとも指摘。まず、長期金利の独仏スプレッドが、選挙前は0.5ポイントだったのが、現在では0.75ポイントまで開いていることを挙げた。総裁はもう一点、先行き懸念から企業が投資と採用を手控え、家計が貯蓄を増やして消費に消極的になるリスクを指摘した。次期政権が取り組むべき最優先課題は予算編成と財政の健全化にあることも強調した。
KSM News and Research