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マクロン仏大統領のセルビア訪問:ラファール戦闘機の輸出決まる

マクロン仏大統領は29日、セルビアの公式訪問を開始した。この機会に、セルビアによるラファール戦闘機(仏ダッソー社製)の12機調達が正式に発表された。
この輸出契約は去る4月より交渉が進められていた。ラファール(スタンダードF4)のほかに、対空ミサイル「ミストラル」(MBDA社製)とタレス社製のレーダーが供給される。契約は総額で30億ユーロ規模といい、うちラファール戦闘機は12億ユーロ相当になる。
ラファール戦闘機の外国による採用はこれで8ヵ国目となった。うち欧州は、ギリシャとクロアチアに続く3ヵ国目となる。セルビアの軍用機は旧ソ連製が主体だが、フランス政府にとっては、今も親ロシアの傾斜が根強いセルビアを欧州側の陣営に組み入れる手段になる。ただし、セルビアのマスコミは、コソボを支援するクロアチアと対等の装備を確保できると報じており、フランスはコソボを挟んで両方にラファールを供給することにもなる。 ダッソーのラファール戦闘機の受注残はこれで200機を超える。うち169機を輸出が占める。航空機部門ではサプライチェーンの混乱が全般的に続いており、ダッソーも生産ペースの確保に苦しんでいるが、足元で不振のビジネスジェットの生産を抑えて戦闘機にリソースを振り向けてしのぐ構え。
KSM News and Research