28日発表のINSEE統計によると、家計景況感指数は8月に92ポイントとなり、前月から1ポイント上昇した。前月(1ポイント上昇)に続いて2ヵ月連続で上昇し、ロシアのウクライナ侵攻開始以来では最高の水準に達した。ただ、長期の平均である100をかなり下回っており、直近の最高値である2021年6月の105と比べて大きな隔たりがある。
8月には、開催中だったパリ五輪の浮揚効果が出た可能性もある。ただし、自身の経済状況に関する見方を示す指数は、現況判断(前月のマイナス22がマイナス23へ)と先行判断(前月のマイナス10がマイナス9へ)のいずれもほぼ前月並みで改善していない。貯蓄意欲を示す指数は前月の35から37へ上昇、消費意欲を示す指数もマイナス32からマイナス31へ上昇しているが、貯蓄意欲の方が勝っており、先行きの見通しは依然として慎重であることがうかがわれる。他方、国民全般の生活水準については、現況判断がマイナス72からマイナス68へ、先行判断がマイナス50からマイナス45へと目立って改善している。物価の先行き上昇懸念が薄れたことが背景にあると考えられる。
KSM News and Research