介護者手当(AJPA)の支給条件が2025年年頭より緩和される。複数の人を介護する場合に支給期間の上限が引き上げられる。7月5日に施行令が公示された。
現行制度においては、近親者を介護する就業者で、介護休暇を取得した人は、被介護者1人につき66日間を上限に、介護手当の支給を受けられる。この上限は変更されないが、別の近親者を介護する場合には、さらに66日間の支給期間が認められる。4人までこの追加の支給期間が認められる。
介護者手当の金額は、2022年より法定最低賃金(SMIC)並みに引き上げられた。これは2024年には1日につき64.54ユーロに相当する。1ヵ月につき22日間が上限で、支給額は月額で1419.88ユーロとなる。制度改正により、過去に受給実績がある人が新たに別の被介護者の世話をする場合、2025年1月1日より、再び手当を受給できるようになる。
近親者を介護する人の70%は労働力人口に属するとされ、この割合は年々増加する傾向にある。介護休暇(2017年に導入)と介護者手当(2020年末に導入)は認知度が低く、利用が進んでいないという問題点も指摘されている。
KSM News and Research