バンデ県のAlegina社は、牡蠣の殻を原料とする先進素材の量産を計画している。
2026年末に1万平方メートルの工場を開所する方針で、これに1200万ユーロを投資する(うち500万ユーロを装備に充当)。
Aleginaは2018年に、地元の産品である牡蠣の殻を有効利用する技術開発を目的として設立された。「Kaomer」のブランド名でのテーブルウェア(陶器)の原料を得たり、ジュエリーの原料とすることから初めて、断熱性の高い屋根材の製造や、透水性の高い舗装材の製造へと進んだ。現在では2021年に製造を開始した舗装材(ブランド名「Vivaway」)が主力となっており、新工場ではその増産を図る。この舗装材には、牡蠣由来の原料を30%の割合で配合している。透水性が高く、雨水がそのまま土壌に吸収され、排水の仕組みを整える必要がなくなる。白色を基調とした舗装材で、屋根材と同様に太陽光を反射し、熱の吸収が少ないため、ヒートアイランド現象の対策ともなる。
新工場では、年間4万トンの牡蠣殻原料を処理できる(現在は1000トン)。2017年に操業を停止した鋳造所の跡地(3.2ヘクタール)を利用する。牡蠣殻の回収ルートの強化も課題で、現在は個人を対象とする回収の試験的な取り組みも進めている。
KSM News and Research