ローヌ川流域のPFASによる飲料水汚染問題で、リヨン地裁は2日、リヨン都市圏などの訴えを認める形で、汚染原因の調査に当たる3人の独立専門家グループの設置を命じた。急速審理の形で命じた。
リヨン都市圏には、化学大手アルケマとダイキンが入居するピエールベニト工業地区がある。同工業地区よりもローヌ川の下流に位置するテルネー取水所では、PFASのうち2026年に規制が導入される3種について、予定される規制値を最大で2倍上回る汚染が確認されており、リヨン地裁は今回、両社の施設を対象にして、その排出物(処理水及び気体)とPFAS汚染の間の関係を探る調査を実施させることを決めた。2025年末日を期限として調査が行われる。
この決定は、リヨン都市圏と、リヨン都市圏の水道事業を担当する公社・三セクが共同で起こした訴えを受けて下された。原告側は、責任の所在を明確にした上で、「汚染者負担の原則」に基づいて、浄水事業におけるPFAS除去の費用を汚染者と認定された企業に負担させることを望んでいる。PFAS除去には600万ユーロを設備に投資する必要があり、また、年間50万ユーロの運営費が発生するものとみられている。
KSM News and Research