欧州委員会がデジタルサービス法(DSA)違反の疑いでTikTokを対象とする調査を開始した件で、TikTokは問題となっていた「TikTok Lite Rewards」のサービス展開を欧州連合(EU)全域において最終的に放棄することを約束した。欧州委とTikTokの間で和解が成立した。8月5日に欧州委が発表した。
「TikTok Lite Rewards」は、TikTok上での閲覧時間の実績に応じて報酬が与えられるプログラムで、スペインとフランスで去る3月末に開始されていた。欧州委はこのプログラムについて、青少年を中心とするユーザーを依存状態に陥れるリスクがあると指摘し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで4月22日に正式調査を開始していた。TikTokはこれを受けて、同24日の時点で、60日間の期限で同プログラムの提供を中断する自主的措置を実施。これと並行して欧州委との間で協議を続けていた。
TikTokは今回、「TikTok Lite Rewards」のEUにおける導入を恒久的に断念することを約束。また、同様のプログラムを将来的に開始しないことも約束した。欧州委はこの約束を認めて、調査の打ち切りを決めたが、今後は継続的に約束の履行状況を監視すると説明した。違反が確認された場合には、最大で世界年商の6%に上る罰金処分を決めることができる。
KSM News and Research