7月31日発表のINSEE速報によると、フランスの消費者物価は7月に前年同月比で2.3%上昇した。前月は2.2%で、インフレ率は7月に0.1ポイントの上昇を記録した。フランスでは、7月1日付でガス規制料金が12%余り引き上げられ、これを含めてエネルギー価格が全体で8.7%の上昇を記録し、物価を押し上げた。ガス規制料金の引き上げはインフレ率全体を0.15ポイント程度押し上げる効果をもたらしたものとみられている。それ以外の項目は落ち着いた推移を示しており、食料品の価格上昇率は0.5%まで減速(前月は0.8%)、このところ上昇が目立っているサービス料金も、上昇率が2.5%まで落ち着いた(前月は2.9%)。工業製品価格は横ばいとなった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は、7月に2.6%となり、前月をやはり0.1ポイント上回った。ユーロ圏全体のインフレ率も、フランスと同じ2.6%で、前月を0.1ポイント上回ったところも同じとなっている。ユーロ圏全体でも、エネルギー価格の上昇が物価を押し上げる要因となっており、全般的には原油価格がユーロ安も手伝って上昇したのが響いている。
INSEEは仏インフレ率が年末には2%台を割り込むと予想。通年平均インフレ率は2.2%まで下がり、前年の4.9%を大きく下回る見込み。足元では、インフレ率が下がりつつあるのに個人消費は振るわず、6月にも0.5%減を記録している。インフレ減速に伴い個人消費がどの程度回復するかが、今後の景気を左右する重要な要因になる。