欧州医薬品庁(EMA)は7月26日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の欧州連合(EU)での販売承認に反対意見を表明した。レカネマブは日本のエーザイと米バイオジェンが共同開発し、米国では2023年1月に承認されて「レケンビ」の商品名で販売されている。症状がまだ大きく進行していない患者を対象に、症状進行を抑制する効果があると認められており、日本や中国などでも承認済み。
EMAは「レカネマブ」の効果は認めつつも、脳出血や脳浮腫などの副作用のリスクがあることを理由に、承認に反対した。最終的な決定権は欧州委員会にあるが、欧州委はEMAの意見に従うのが通例となっている。エーザイは強い失望を表明し、EMAに再検討を求める方針を明らかにした。EUの認知症患者数は約800万人といい、その半数超がアルツハイマー病の患者だという。
KSM News and Research