下院は20日までに、改選後の要職の互選を終えた。極右RNを排除する動きが奏功し、RNはまったくポストを得られなかった。他方、与党連合は事務局で過半数を失うなど、今後の国会対策は一段と厳しくなった。
左派連合は、22議員からなる事務局で副議長2人を含む12のポストを得た。議長はそれより前、与党所属のブロンピベ議長が再選を果たしていたが、議長は事務局において少数派に追いやられた。その一方で、与党連合は、8つの小委員会のうち6つで委員長のポストを確保。しかし、最重要の財政委員会については、激しい攻防の末に、左翼政党「不服従のフランス(LFI)」所属のコクレル委員長が再選を果たした。財政委員会では、野党所属議員が委員長を務めることが慣例になってはいるが、今回は、どの勢力が与党になるのか見極められない状況である中で、(旧)与党勢力も互選に参加するという慣例破りの事態となった。それでも、コクレル委員長は他党の支持も受けて再選を決めた。それ以上に、与党勢力にとって痛手となったのが、予算案報告担当委員の選出で、こちらは通常では与党勢力が握るポストであるものの、中道野党グループLIOTを率いるドクルソン議員が与党候補と同票の末に、年長者を優先する規定により当選を果たした。与党勢力は、予算法関連の審議で統制権を完全に失ったことになる。
保守野党の共和党は、事務局において、2人の議長職と財務官のポストを確保し、改選前よりもむしろ勢力が拡大した。逆に極右RNは完全に排除された格好で、議員団を率いるマリーヌ・ルペン議員などは、卑怯なやり口だと他党を厳しく批判した。
KSM News and Research