EYの集計によると、仏ベンチャー企業の資金調達額は2024年1-6月期に42億6000万ユーロとなり、前年同期と同じ水準を記録した。同調達額は、2022年1-6月期に83億9000万ユーロと記録的な水準を達成。2022年通年では134億9000万ユーロとやはり極めて大きな額となったが、2023年1-6月期には42億6000万ユーロへ後退、同年7-12月期には40億6000万ユーロまで下がっていた。2024年に入って回復傾向が見え始めたが、数字の上では前年同期と同じ水準にとどまった。
この1-6月期には、ミストラルAI(4億6800万ユーロ)とEV充電器網を展開のエレクトラ(3億400万ユーロ)が3億ユーロ越えの大型調達を成功させた。大型案件は2023年には冷え込んでおり、復調を示す材料となった。これに、水素モビリティのHysetco(2億ユーロ)、AI開発のH Company(1億8400万ユーロ)、ビジネスソフトのPigment(1億3400万ユーロ)が続いた。調達額で上位5社を、AI・ソフトウェアとグリーンテックが占めた。
近隣諸国との比較では、英国が84億7000万ユーロでフランスを大きく上回っている。ドイツは36億5000万ユーロでフランスには及ばなかった。フランスでは総選挙を経て政局が混迷しており、これが下半期にかけて資金調達環境の悪化を招く要因となることが懸念されている。
KSM News and Research