報道によると、仏プロサッカー1部リーグ(リーグアン)の来季以降の放送権を巡り、仏プロサッカー連盟(LFP)と2事業者の間で基本合意が成立した。開幕(8月16日)より1ヵ月前というぎりぎりのタイミングで決まった。近く契約が締結されるという。
契約を獲得したのは、英DAZN(ストリーミング事業者)とBeINSports(カタール資本の有料テレビ局)の2社。DAZNは年間4億ユーロを支払い、各節の9試合(リーグアンを構成する18チームが対戦)のうち8試合の放送権を確保する。BeINSportsは、1億ユーロ程度を支払い、残り1試合の放送権を得る。有料テレビ大手カナルプリュスは、BeinSportsと販売契約を結んでいるため、従来通りに好カードの放送を確保できる。2024-29年が対象だが、2026年で契約を打ち切る権利の設定を巡り、DAZNとの詰めの協議がまだ残っているという。
リーグアンは、かつては主力コンテンツだったが、現在ではその価値は下がっている。2020年にはメディアプロ(スペイン)が多額の権利料で放送権を確保したが、立ち行かずに放送権を放棄し、代わりの事業者を見つけるのに苦労したという経緯もある。今回も応募は振るわず、一時は仏プロサッカー連盟が自前で放送・配信を手配するという案まで浮上したが、より古典的な契約締結に落ち着いた。ただ、契約額は連盟のラブリューヌ会長が期待していた年間10億ユーロと比べて半分程度に過ぎない。放送権収入は各チームの収入にも直結するため、会長の立場が弱体化するのは避けられない。