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ガラス容器のデポジット・リユース制度、試験導入が開始

ガラス容器のデポジット制度の試験導入が2025年5月に始まる。北西地方に限定して試験導入がなされる。

ガラス容器にデポジット料を乗せて販売し、容器回収と共にこれを返却するという制度は、フランスでもかつては一般的だった。その後、プラスチック容器の利用拡大などの要因を受けて1980年代末から1990年代初頭には姿を消したが、環境配慮への意識が強まる中で、容器のリユースへの関心が高まっている。これまでにも各種のデポジット制度の試験導入の試みがあったものの、様々な障害があり、いずれも普及はしなかった。今回は、リサイクル組織(汚染者負担の原則に基づいて、メーカーの拠出により運営される団体)のCiteoが、食品小売業者や食品メーカーらの協力を得て、ガラス容器のデポジット制を試験導入する。18ヵ月の期間を対象に、食品小売の様々な規模の1200店舗を通じて、デポジット料と引き換えにガラス容器を回収し、洗浄の上でメーカーに供給する。対象地区の消費者数は1600万人を数え、当初は6品目、総数では3000万体程度の容器が対象となる。Citeoは、ガラス容器を自ら製造業者から購入し、これをメーカーに供与する形になるが、この購入と回収ポストの整備に1500万ユーロを投資した。洗浄業者を含めたエコシステムを育てて、デポジット制を定着させることを目指すが、消費者の参画を得ることが最初のハードルとなる。デポジット料は20-30ユーロセントになる見通し。

KSM News and Research