6月30日の総選挙投開票の結果を受けて、7月1日にパリ株式市場は大幅な上昇を記録した。市場は、恐れていた最悪のシナリオが実現する可能性が遠のいたと判断した模様。
パリ株式市場CAC40指数は同日の取引開始直後に2.8%の大幅上昇を記録。終値でも1.09%高となった。総選挙では、予想通りに極右RNが躍進を果たし、協力先と合計で33%程度の得票率を達成した。RNに対抗する左派連合「新民衆戦線」の得票率は28%程度だった。下院における議席配分は、7日の決選投票の結果が出るまで判明しないが、RNが単独過半数を確保する可能性は低いと考えられる。同様に、左派連合の単独過半数獲得の目もほぼなくなり、ビジネス環境の悪化を招く政策を掲げる左派連合が単独政権を運営する可能性もなくなったことを市場は歓迎していると考えられる。
解散総選挙ショックで特に低迷していた金融関連株の上昇が目立ち、例えば、BNPパリバは3.59%高、ソシエテジェネラルは3.10%高、クレディアグリコルは2.83%高を記録した。長期金利の独仏スプレッドも12ベーシスポイント縮小して74ベーシスポイントとなり、この2週間で最低の水準に下がった。それでも、10年物長期金利は3.3%と高く、ポルトガルよりも高い水準が続いている。