プラスチックボトルの飲み口のリングについている「一体型」キャップが、7月3日から義務化される。プラスッチック容器包装の環境への影響軽減を目的として2019年に公布されたいわゆる「使い捨てプラスチック禁止EU指令」の発効に伴い、飲料メーカーやボトラーに、3リットル以内のプラスチックボトルに関して、一体型キャップの採用が義務付けられる。これを待たず、ここ数年では、ミネラルウォーターやフルーツジュース、牛乳などのボトルで、一体型キャップが採用されるようになっている。ボトルウォーター大手のSources Almaでは、指令に先駆けて2016年に一体型キャップの採用を始めた。
ボトラー大手リフレスコは、衛生・風味上の保護という観点から十分に機能する一体型キャップの開発には数年を要したと説明している。テトラパックでは、一体型キャップ導入のために、シャトーブリアン(ロワールアトランティック県)の工場に3年かけて1億ユーロを投じた。2018年にPwCが欧州清涼飲料協会(Unesda)向けに行った調査では、キャップの開発、特許出願、モールドや生産ラインの変更など、キャップの変更にかかる総費用は27億ユーロから87億ユーロになる。牛乳業界では、滅菌に関する義務が他の飲料よりも厳しく、その一方で価格帯が低めであることから、十分に安価なソリューションを開発するのに苦心したという。
もともと一体化キャップの義務化は、プラスチック廃棄物の回収・選別・リサイクル促進を目的としていたが、テトラパックによると、製法によっては、従来比でプラスチックの使用量を最大60%削減できるというメリットもある。ただし一部の消費者からは「飲みにくい」といった不満も聞かれる。