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経営難の仏アトス(情報処理)、筆頭株主ラヤニ氏が提出の買収案を採用

経営難の仏アトス(情報処理)の取締役会は、筆頭株主となったOnepoint社のラヤニ社長が提出した買収案を採用することを決めた。チェコの大物実業家クレティンスキー氏による買収計画を退けた。11日に発表された。

ラヤニ氏の買収計画では、債権者団が債権のうち29億ユーロの株式への書き換えを受け入れて、約79%の株式を握る。Onepointは投資会社のバトラーらと結び、1億7500万ユーロを出資して21%株式を確保する。債権者団も増資を引き受けて7500万ユーロを出資する。現行株主らの出資分は取引後で全体の0.1%に縮小する。さらに、債務により15億ユーロ(うち3億ユーロは保証)の資金を確保し、事業の再興を図る。

政府は、戦略的な重要性があるアトス資産(スパコン、サイバーセキュリティ、クリティカルシステムなど)の買収を約束しており、その売却収入(評価額は7億-10億ユーロ)もアトス再建の資金となる。

買収案の実現には、債権者団の3分の2以上の賛成が必要になる。クレティンスキー氏は、買収提示額を3度に渡り引き上げ、債権者のうちBNPパリバ銀行の賛成を取り付けたが、より大きな負担を恐れた大多数の債権者は同氏の買収提案には従わなかった。他方、ラヤニ氏にとっては、アトス買収は悲願で、2022年にも買収を提示したが、この時は退けられていた。同氏は、アトスの売上高を、2024年予定の96億ユーロから、2027年には106億ユーロに増やし、営業利益率を3倍の7.7%、キャッシュフローを7倍近くに増やすとの目標を掲げているが、大企業の経営実績がないラヤニ氏が再建に成功するのか危ぶむ声もある。

KSM News and Research