自治体の水道事業が作る団体FNCCRが発表した速報(合計で国内の有収水量の13%に相当する自治体を対象に調査)によると、2023年の国内の水道水の消費量は前年比で3.2%減少した。近年には毎年0.5-1%程度の減少を記録していたが、それを超える減少を記録した。度重なる干ばつを前に、個人や企業が節水に努めた結果とも考えられる。
消費量の減少は、自治体が運営する水道事業や、スエズやヴェオリアなどの水道会社の収入減少に直結する。その上、今後数年以内には水道インフラへの大型投資が必要となり、水道事業者は、その資金の捻出を迫られている。このため、FNCCRと業界団体等は、「水道料金の上昇は不可避」との見解を示している。
事業者からは、季節による変動料金制の導入を求める声もあがっている。トゥールーズ市の場合は、水の需要が高い6-10月の料金を42%引き上げ、それ以外の月には30%引き下げるという料金体系の導入を決めた。大口需要家に適用される逓減型料金を廃止するという案も取り沙汰されている。また、未申請で地下水汲み上げ井戸を利用している家庭の摘発を強化するべきとの声もあがっている。