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フランスの温室効果ガス排出量、2023年に前年比5.8%減

アタル仏首相は23日、2023年のフランスの温室効果ガス排出量が前年比で5.8%減少(二酸化炭素換算で2280万トン減)したと発表した。予想の4.8%を上回る減少率と、これを歓迎した。首相が引用した数字は、政府の削減目標の達成状況を調べる機関Citepaが算出した速報値で、確定値は2025年6月に公表される予定。

仏政府は、欧州にならって、2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で55%削減し、2050年にはカーボンニュートラルを達成することを目指しているが、目標達成には2022-2030年の間に毎年5.3%(二酸化炭素換算で合計1億3800万トン)の削減が必要になる。2023年には、前年の2.7%減から削減ペースが加速して目標達成に弾みがついたが、環境NGOらはこれを暖冬や経済活動の停滞など一時的な要因に起因したものとのシビアな見方を示した。また、Citepaの数字には輸入製品に由来する排出量が考慮されておらず、森林・土壌による炭素吸収分も含まれていない。首相府下に設置のエコロジー企画総局(SGPE)は、現ペースで森林が減少する仮定では、削減目標の達成が難しくなるとの見方を示している。

KSM News and Research