去る14日未明にパリ市内のユダヤ人虐殺慰霊モニュメントで落書きが見つかった事件で、警察の調べによると、ロシアによる犯行である疑いが強まっている。22日までに報道された。
この事件では、パリ4区のマレ地区にあるモニュメントの外壁など数ヵ所に、赤い手形が多数、刻印されているのが見つかった。警察は監視カメラの分析などから、2人の実行犯を特定。携帯電話の分析とあわせて、犯人らが潜伏していたパリ東部のホテルを突き止めた。犯人らはいずれもブルガリア人で、ロシアからの依頼で犯行を実行した疑いがある。
昨年11月にも、青い色のダビデの星がステンシルで落書きされる事件がパリ市内で発生したが、この時も、ロシアによる依頼であったことが判明している。今回の事件では、パレスチナ支持派が抗議行動で用いた赤い手形というシンボルが使われており、仏国内での対立を増長させて不安定化を図ることを狙ったロシアの工作であると考えられる。