政府は6日、農薬削減プラン「エコフィト(Ecophyto)」の修正案を公表した。2030年までに農薬使用量を半分にするとの目標を維持した上で、目標の達成状況を評価する基準を変更することを決めた。
政府は、農民らの抗議行動を鎮める目的で、農薬削減プランの見直しを約束していた。修正案は具体的に、目標達成状況を評価する尺度として、現行のNoduと呼ばれるフランス独自の基準ではなく、HRI1と呼ばれる欧州連合(EU)の指標を用いる旨を定めている。HRI1においては、有効成分の重量に対して、農薬の種類ごとに定められるリスク係数をかけ合わせて実質値が算出される。HRI1に依拠すると、農薬使用量は基準となる2011年比で既に32%削減されていることになるが、環境保護団体などは、Noduに依拠すれば3%増加していることになり、尺度を変えることで規制は骨抜きになると反発している。修正案にはこのほか、削減プランのための2億5000万ユーロの支援が盛り込まれた。うち1億4600万ユーロが代替手段の研究に、5000万ユーロが農薬を代替する農法のための機械設備の購入に、2000万ユーロが農業用水の処理のための資金に、それぞれ充当される。