4月30日発表のINSEE統計によると、1-3月期の仏経済成長率(前の期比)は0.2%となった。7-9月期と10-12月期にそれぞれ0.1%の成長率を記録した後、1-3月期にはわずかながら成長が加速した。INSEEは当初、1-3月期のGDPが前の期並みになると予想していたが、予想よりも良好な数字となった。
1-3月期には、個人消費支出が前の期比で0.4%増を記録。前の期の0.2%増から増加が加速した。固定資本形成は全体で0.3%増を記録し、前の期の0.9%減から増加に転じた。金利上昇に伴う購買力減退で、家計による設備投資(住宅投資)は相変わらず1.5%減と後退が続いたが、企業設備投資が0.9%減から0.5%増と増加に転じたのが目立った。輸入は0.2%増、輸出は0.5%増を記録、GDP成長率における外需の貢献度は0ポイントとなった。内需(在庫変動除く)の貢献度は0.4ポイントとなり、個人消費の回復を主な原動力として経済成長を押し上げた。在庫変動は0.2ポイントのマイナス貢献となった。
4-6月期以降がゼロ成長だったと仮定した場合で、2024年通年の経済成長率は0.5%となる。政府の通年成長率の公式予測は1.0%となっているが、これまでの推移をみる限り、予測は現実味を帯びてきた。なお、フランス中銀はそれよりわずかに低い0.8%との予測を採用している。
INSEEが同日に発表した4月のインフレ率(速報)は2.2%(前年同月比)となり、前月より0.1ポイント低下した。食料品の価格上昇率は1.2%まで鈍化したが、エネルギー価格の上昇率は3.8%となり、前月の3.4%と比べて上昇が加速した。サービス料金の上昇率は3.0%で前月と変わらなかった。欧州連合(EU)基準のインフレ率は前月と同じ2.4%だった。