アタル首相は19日、パリ郊外ビリシャティヨン市を訪問した機会に、未成年者犯罪対策について公表した。一連の施策を提案し、8週間をかけて関係各方面と協議し、最終案をまとめると説明した。
ビリシャティヨン市では、中学生の男子が集団暴行を受けて死亡する事件が去る4日に発生していた。未成年者による暴力的な犯罪がこのところ相次いでおり、アタル首相はこの機会に、教育と司法の両面から、この問題に強い姿勢で対処する考えを示した。6月の欧州議会選挙を前に、優勢の極右勢力に格好の攻撃材料を与えないようにする狙いもある。
首相はまず、教育を通じた非行対策について、問題を起こす生徒に対する処罰の強化を提案。進学先の決定等に関する基準に賞罰を加えることなどを含めて、学校側が適切な対応を取れるようにする体制作りを予告した。寄宿舎の活用による若年者の感化といった対応にも前向きの姿勢を示した。未成年者犯罪への対処では、監督義務を果たしていない保護者の責任追及を打ち出し、また、未成年者訴追の手段を強化する方針を示した。